シンイリーズシリーズ後編。
■バタフリー
火力がモルフォンなら、状態異常はバタフリーである。先制技を持たれなければ先手眠り粉からノーリスクで火傷を置くことができ、持たれていれば先制技読み交代の可能性が出てくる。少しリスクを負えば虹風による七色状態異常も楽しめる。
モルフォンと共通するのは繰り出しの難しさ。低耐久に加え、装備欄に余裕がなくバルーンの装備が難しい。
他のポケモンでサポートしたいが、バタフリーの場合はモルフォンより状況が悪い。モルフォンはそれ自身がアタッカーなので他をサポートに回せるが、バタフリーは自身がサポート役であり、他はアタッカーに回したい。
なんか似たような状況に陥ったことあるなと思ったらココロモリと同じなんだな。どちらも無効・重複抵抗を狙って素で繰り出すのがスキル的に有功なんだけど、そう上手くもいかないわけでありまして。
もんもん。
■ボーマンダ
我輩はドラゴンである。速度はまだない。まもるをどこに置き忘れたかとんと見当がつかぬ。・・・
カイリューと違って速く、両刀気味。とはいえ速いドラゴンならガブリアスのほうが攻撃範囲が広く、特殊龍ならサザンドラのほうが威力が高い。威嚇さん頑張れ威嚇さん。
どうにも汎用性高すぎて運用に迷う。鋼以外に攻撃が通るというのもそうだけど、龍以外に抜群が取れないのも要因。相性ゲーに中立地帯作ってる感じ。いや抵抗面は優秀なんだけどさ。それがドラゴンってもんなのかな。いろいろ勉強になりそうな一匹。
■ミカルゲ
ゴースト、エスパー、悪の特殊攻撃が嫌だった。その気持ちは鰤において顕著だった。
これらの攻撃を苦手としながらの戦闘は、のびのびと万全の力を発揮できないために窮屈である。弱点が変わらぬままなら、それをカバーせんとする戦略戦術のほうも凝り固まる。
解決は簡単である。数匹を強力なポケモンと入れ替えるだけなのだから。実行に移す、という小さな一歩が私には踏み出せなかった。問題解決の容易さは、実行だけができない私を責め立てるかのようであった。
幾夜、枕を濡らしたことだろう。20+αの枠数を上手く活用しきれていいない私はなんと情けないことかと思わずにはいられなかった。
恵まれた環境に、活かしきれない無力感。この世界に無駄があるなら、まず私が筆頭に上げられるべきだと信じていた。自分の殻に閉じこもり、ついに逆立ちの傲慢さを獲得したわけである。
ひとつの光明が見えた。300BPがたまり、コロンチケットが手に入った。1枚だけで魔法のような解決は望むべくもなかったが、これで状況は改善されるだろうし、何よりこの暗闇がこれから明るくなっていくはずだ──という酩酊が何よりの救いとなった。
酩酊の夜、その日付だけは不思議と覚えている。この記念日を思うことで翌日からの悪夜を楽に過ごそうという計算が意識の裏で働いたのだろう、と今は考えている。その理解に至ったときは、何か神聖なものを自慰の道具に貶めたようで、自分をひどく恥じたものだった。
ふと気が付くと、ミカルゲを捕獲していた。一般に悪タイプはエスパーを無効にし、ゴースト悪に抵抗を持つ。しかしミカルゲは後ろ二つが等倍である。補正なしで鰤に出られるとはいえ、弱点の補強材としては中途半端もいいところだった。これだから「酩酊」に終わるのだと、もはや諦観していた。
とうに酔いは冷めており、状況は半歩程度の改善にとどまった。残るは悪夜の連続のみである。次のコロンチケットまで、まだ長い。また来る酩酊にわずかな希望をつなぐ惨めな出発の日は、月曜日に似ていた。
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