ポケパのダメージ計算式は次のようになっている:
((攻撃側のレベル × 2 ÷ 5 + 2)× 技の威力 × 攻撃側の能力値 ÷ 防御側の能力値 ÷ 50 + 2)×(70~100)÷ 100
実機との相違点は乱数のみ。実機では85%~100%であるところ、ポケパでは70%~100%になっている。分散が大きくなっているほか、下限が下がっているために期待値もやや低くなっている。
これを数式っぽく書き換えておこう。攻撃側のレベル→L、技の威力→P。攻撃側の能力値→A、防御側の能力値→Bとすると
{(PA/50B)*[(2/5)L+2]+2}*乱数(0.7~1)
となる。扱いづらいので近似式を作ろう。上式の括弧{}を展開すると
(PA/50B)*[(2/5)L+2]*乱数 + 2*乱数
となる。二番目の項(2*乱数)は最大で2、タイプ一致を加えても3、重複弱点まで入れても6、アイテム補正を考えても7程度しか影響しない。そこで二番目の項を見なかったことにすると次の近似式が手に入る:
(PA/50B)*[(2/5)L+2]*乱数
特にLv50フラットでは[(2/5)L+2]が定数22になるから、さらに簡略化できて
(22/50)*(PA/B)*乱数
となる。(22/50)=0.44だ。つまりダメージは「技威力」と「攻撃側の能力値」に比例しており、「防御側の能力値」に反比例している。攻撃側の能力値を1.2倍するのと、技威力を1.2倍するのと、最終的なダメージを1.2倍するのでは差はほとんどない。
・・・はずだったのだが。どうやら連続攻撃に関してはこの近似が仇になるらしい。チラチーノのスキルリンクタネマシンガン(10回)を例にとろう。
威力10,Lv50での「正確な」計算式は威力P = 10として
0.44*(PA/B)*乱数 + 2*乱数
=4.4*(A/B)*乱数 + 2*乱数
これを10回行うと
44*(A/B)*乱数 + 20*乱数
のダメージが通る。
一方、威力100でのダメージは威力P = 100として
0.44*(PA/B)*乱数 + 2*乱数
=44*(A/B)*乱数 + 2*乱数
威力10*10回と威力100では、ダメージが18*乱数だけ違う。前者のほうが高い。ここに弱点補正やら一致補正やらが入ってくると最大30以上の差が出てくることもあるのでぜひ覚えておくべき。
どのくらいダメージ差が出るのかは「攻撃回数」にだけ依存している。具体的に言うと「(攻撃回数-1)*2*乱数」だけの差が出る。つまり、つららばり(4回)では6*乱数程度、5回では8*乱数程度の違いしか出ない。普通は10代、一致弱点とかで20代になるくらいか。サポ板の記事番号No.929はこんな感じで解釈できるでよ。
・・・ひとつ分からないのが、チャットであった一件。トランスリング、タネマシンガン、A64チラチーノ→B0バンギラスでダメージ146が出て高くね?という話だったのだけれど
ポケパの計算機では威力10で最大ダメージ14。小数点以下切捨ても考慮すれば10回分で146ダメージが出たというのは分かる。しかし威力100での最大ダメージ109との差である37ダメージは18*1*1.5=27だけでは説明がつきませんで、37にするためには27に1.4を乗算する必要がありまして。計算機でトランスリン グの補正が技威力ではなく最終ダメージにかかってる疑惑が浮上するのでございますけどどないなっとるん?